先進医療
「自己細胞シートによる軟骨再生治療」とは
「自己細胞シートによる軟骨再生治療」は先進医療Bとして実施される臨床研究で、目的は変形性膝関節症の軟骨欠損に対する細胞シート移植の治療効果*1と安全性*2を調べることにあります。具体的には、高位脛骨骨切り術と合わせて、自己細胞シートの移植を行うことで、変形性膝関節症の軟骨欠損を治療します。年齢や軟骨欠損の程度など、各種の条件はありますが、主として高位脛骨骨切り術が適応となる患者さんが研究対象となります。
*1 痛みの緩和、関節機能がよくなる、軟骨欠損が膝関節本来の軟骨である「硝子軟骨」で修復されているかなど
*2 副作用が出るか、副作用の程度が重いかなど
治療の流れ
- 関節鏡検査(検査入院)と関節組織の採取
最初に、関節鏡検査を行って軟骨欠損の程度などを確認します。適応と判断されたら、関節組織(軟骨組織と滑膜組織)を採取します。採取された組織は、株式会社セルシードの細胞培養センターへ運ばれて軟骨細胞シートが作られます。 - 軟骨細胞シートの移植
高位脛骨骨切り術の手術時に、軟骨欠損部に軟骨細胞シートを移植します。 - 入院期間とリハビリ
入院期間は約1カ月。これは、高位脛骨骨切り術の手術を受ける場合と同程度の期間です。手術後のリハビリや安静度もほぼ同じです。
対象となる方、対象とならない方
[対象となる方]
年齢 20歳以上80歳未満の方
変形性膝関節症と診断され、高位脛骨骨切り術が適応となる方 など
[対象とならない方]
重い心臓病、肝臓病、腎臓病などの合併症がある方
妊娠や妊娠の可能性がある方
抗生物質に対してアレルギーのある方 など
参加人数と期間
[参加人数]20名
[参加期間]軟骨細胞シートの移植手術を受けてから定期的に5年以上経過観察します。
治療にかかる費用
[健康保険の適用]通常の治療と共通する部分となる診察、検査、投薬、入院料等
[健康保険外診療]自己細胞シートの作製と移植:先進医療に係る費用約400万円
※先進医療保険の取扱いについては、まずご加入の保険会社にご相談ください